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黄昏睡蓮

猟奇系、グロ系の18禁小説を書いています。関連の同人・版権作品のレビューも書きます。18歳以下の閲覧禁止。毎日更新を目標にしています。

不死者遊び1

 ざくり、と自分の身体を傷つける。

 鈍い刃が食い込んだ肉からは紅い血が流れ出し、白い骨がその傷口から除いていた。
 脳が焼けるような激痛が走ったけれど、特に気にする必要はなかった。そもそも痛みというものは危険信号であり、危険でなければ気にする必要のないものだからだ。
「……んー」
 僅かに骨に食い込んだ刃を抜き取ると、その傷は瞬く間に修復して行く。再生の際にも強い痛みを感じるのだけど、いまではそれも慣れてしまってちょっとした刺激にしかなっていない。
「やっぱり、足りないなぁ……」
 自分で自分を傷つけることには限界がある。
 構えることが出来る分、刺激として物足りなく感じてしまうのだと思う。
 一時期はこの体質のせいで迫害されていた時代もあったけど、その頃に受けた痛みはいまから思えば非常に刺激的だった。
 あの頃のようにはなれないけど、あの頃の痛みを少しは思い出してみたいものだった。
 すっかり痛みに慣れてしまったいまでは望むべくもないことだけど。
 少しでも刺激が欲しかった。
「……そうだ、ダンジョンいこう」
 かつての文明が誇る防衛システムに引っ掛かれば、予想外の刺激が受けられる。
 あるいは――本当に私を殺してくれるかもしれない。
 そう考えると、急に意欲が湧いて来た。準備などする必要もないから、そのままねぐらにしている部屋を出る。
 まぶしい光が私の目に差しこんで来て、思わず目を手で庇う。
「……んー、いい天気」
 太陽はいつも変わらない。私もいつも変わらない。町もいつもと変わらない。

 荒廃した世界は今日も静かだった。
[ 2013/09/10 20:55 ] 小説・短編 不死者遊び | TB(0) | CM(0)

不死者遊び2

 人間はそもそもが欠陥品だったらしい。
 元は人間である私でさえ、そう思わざるを得なかった。不死者となってからは人間達に悪魔だのなんだの言われて迫害され続けて、ひたすら殺され続けたものだけど、結局そんな人外に滅ぼされるまでもなく、人間達は勝手に死んでいった。
 他の動物や魔物や人外が決してしない、同士撃ちという形で。
 結果として世界は荒廃し、いまでは生きているのは私のような不死者か、逞しく生きる動植物くらいのものだ。
 最後に人間や不死者を見てから、もう何千年が経過しただろう。不死者は死ねないからどこかにいるはずなのだけど、この広い世界では会う可能性は限りなく低かった。
 特に私が住んでいるこの地域はどうやら地理的に閉じているらしく、よほどの意思がなければ辿り着くことが出来ないらしい。具体的には船や飛行船が必要なのだ。
 私は私以外の不死者に会ったことが少ないから何とも言えないけど、恐らく他の不死者達にそんな気概があるとは思えない。
 基本的に何しても死なない不死者達は、無気力なものなのだ。年がら年中役に立つような立たないような思慮に耽る者が多いと聞いた。

 私を不死者にした不死者はそういう意味では異端だったのかもしれない。

 その不死者はどこにいったかわからないけど、もはやわかる必要もない。
 とりあえず、私は刺激が欲しかった。
「んー、久々の外は寒いなぁ……」
 私は立ち止まって大きく伸びをする。何百年か自分で自分を壊し続けた所為か、身体の動きに不調は見られない。何千年と思慮に耽る不死者の中には身体の動かし方を忘れてしまう者もいるらしいけど、私はずっと身体を動かしていたのでそんなことにはならなかった。
 人間だった頃には裸で外をうろつきまわる、なんてことは考えもしなかったけれど、いまとなっては普通のことだ。服なんて汚れるだけだし、寒さにも暑さにも平気な不死者にとっては無駄なものでしかない。
 それでも、他に人間がいたころは一応布を巻きつけたりといった分別は付けていたものだけど、誰もいないいまの世界でそんな配慮をする必要もなかった。
 これからいくダンジョンでどうせボロボロになるのだし、わざわざ着ていく理由も感じなかった。
 ダンジョンはその昔人間達が蓄えた財産を護るために用意したものだ。その財産を取りにくる主がいなくなったいまも、律義に侵入者に対して警戒を続けている。
 そこでなら、私が構えることも出来ない痛みを私に与えてくれることだろう。
 もっと早く思い立てば良かった。
 どれほど徹底的に、また容赦なく自分が傷つけられるのかということを想像すると、忘れかかっていた興奮が呼び起こされる。

 丸出しのあそこから、何百年かぶりに熱を伴った液が零れる感覚がした。
[ 2013/09/11 20:00 ] 小説・短編 不死者遊び | TB(0) | CM(0)

不死者遊び3

 ダンジョンはかつて栄華を誇った人間達が、自分達の抱えた財産を護ろうとして作りだした一種の宝物庫だ。
 デス・トラップが多々存在し、基本的にその構造を熟知しているのはそのダンジョンの持ち主だけのため、なにかしらダンジョンの持ち主が不慮の事故で亡くなったりした場合、そのダンジョンは宝物が取り出せないまま、放置されることもままあったという。
 そんな時に私のような不死者がダンジョン踏破を依頼として受けていた時代もあったらしい。私は人と距離をおいていたから詳しいことは知らないのだけど。
 それはともかく、私はとあるダンジョンの目の前にまで来た。
 ダンジョンの位置口は『この先危険』『所有者死亡のため、トラップ解除不可領域』という看板がいくつも立っている。まさに私が求めていたダンジョンの類だ。その看板の多さと文面の強烈さから、このダンジョンがどれほどの危険度かは大体わかる。このダンジョンは凄まじい感じだった。何せその看板で道が塞がっているほどだからだ。
 それは転じて、期待出来るダンジョンであることを示している。
「さて……と」
 どんなトラップが待っているのだろうか、いや、どんな死にざまが待っているのだろうか。
 ダンジョンの入口は観音開きの巨大な鉄扉が設置されていて、その扉を潜った先がダンジョンの領域になっている。
 私は看板の壁を潜り抜け、ダンジョンの入口を潜る。

 その瞬間、勢いよくダンジョンの入口の扉が閉まり、その間に挟まれた私の首が千切れて転がった。

 ぐるぐる回る視界を認識しながら、私は考える。
(何かあるとは思ったけど……まさか扉そのもので殺されるなんてね……)
 私の首と胴体は鉄製の扉に阻まれて寸断された。体の方の感覚は伝わって来ないけど、扉の向こうで地面に倒れる音がした。
 ダンジョンの中に転がった頭の方には、さらにトラップが襲いかかる。床からt無数の槍が足の踏み場もないほどに突き出してきて、それが目に差さって持ち上げられた。
 かと思うと横の壁から無数の矢が放たれ、即頭部に一本、頬を貫いた一本、下顎に一本、合計三本の矢が突き立った。
(あー、徹底的すぎるでしょ、これ……)
 さらに吊り天井が落ちて来て、槍や矢ごと私の頭部は叩きつぶされた。
 平べったくなる感覚だけが全てを支配して、私の意識は一端途切れる。
[ 2013/09/13 20:00 ] 小説・短編 不死者遊び | TB(0) | CM(0)

不死者遊び4

 不死者の復活は理不尽かつ強引に行われる。
 完膚なきまで潰された私の体は、一端液体状に溶け、天井が落ちてきたその先で復活する。例え全方位を隙間なく埋められようと、それをすり抜けた先で復活する不死者の力ならばただ潰されただけなど、ただ歩いていて小石に蹴躓いた程度のことだ。
 私は復活した体を解しながら、真っ暗闇が続くダンジョンの先を見た。目ではなく心で周辺の状況はわかる。魔力による感知能力だ。ダンジョンの中には火が灯されたことを感知してトラップが発動することもある。不死者の魔力感知能力はその点もダンジョン探索に不死者が優れている証だった。
「うーん……でも、どうせだから」
 今回私は安全にダンジョンをクリアすることを目的としていない。
 だからあえて魔力感知を切って、ばちんと指を鳴らして魔法の火を灯す。
 瞬間、ダンジョンが燃え上がった。虫一匹逃さないと言うような、激しい炎が吹き荒れる。
 その直中にいた私の体は、あっという間に全身が爛れて、骨まで浸透する火力に叫び声を上げながらくるくると踊り、倒れる。肺が焼けて呼吸もできない。もちろん他の臓器も徹底的に焼却され、あっという間に意識が途切れた。

 数時間なのか数日なのか、とにかくそれなりに長い時間炎は燃え盛って消えたらしい。
 再び復活した私は、ため息を吐く。
「さすがに容赦ないっていうか……人間相手には容赦なさすぎでしょ」
 最初のトラップを運よくかわせたとしても、視界を確保しようとしたところで全方位焼却が待っている。よほどの大魔術師でもない限りはあの火炎の勢いは凌ぎきれないだろうし、そんな魔術師が最初の物理的トラップをかわせるとは思えない。
 絶妙なまでに配置された技の数々に、つい楽しくなってきてしまった。
「次はどんな風に殺されるのかなー♪」
 鼻歌交じりに足を一歩踏み出す。その踏んだ床が沈んだかと思うと、その穴が閉じて呑み込んだ足を挟み潰す。
「ぎっ!」
 思わず悲鳴を上げる暇もなく、横の壁がスライドして私の身体を押して来た。当然、床に挟まれたままの足は千切れてしまう。
 壁が押し出した先には長くて深い段差が連続していて、私は足の傷口から血をまき散らして落下しながら何度も叩きつけられて全身が粉々になるような衝撃を受けた。
「……ッ!」
 もう声も出ない状態になった時、水の中に頭から飛び込む。溺死を心配する必要はなかった。
 その水だと思ったものは、硫酸のような、溶解性のものだったからだ。
 全身の皮膚が解かされ、全身から余すことなく激痛を感じる。
[ 2013/09/14 17:00 ] 小説・短編 不死者遊び | TB(0) | CM(0)

不死者遊び5

 例え原形を一切留めない程に解かされようと、別の液体に混ぜ込まれようと、復活は割と容易だ。
 水際で復活した私は、つくづく恐ろしい罠を仕掛けまくっているダンジョンの持ち主に感心してしまう。
「迫り壁を脚を切断するために使ってくるとはね……」
 足元を固定するだけなら、鎧でも来ていれば平気だろう。けれど、そこからの壁迫りは色んな意味で仕掛けとして酷過ぎる。
 いくら強力な戦士であっても、壁全体が迫って来るのを受け止め切るのは難しい。
 足を片方でも失ってしまえば、機動力はあっという間に落ち込むだろうし、次々襲いかかって来る罠に対応することは出来ないだろう。
「……ほんと、容赦ないよねぇ」
 私は溜息を吐いて立ちあがる。まあ、その容赦のなさがいいからいいんだけど。
 立ちあがった私の首が飛んだ。
「うぇ」
 思わずそんな声が出る。
 普通に立ちあがっただけなのになんでかと思えば、真横の壁から刃が射出されたようだった。丁度立ちあがると発動する位置に感知式の何かが設置されていたようだ。
 全く本当にこのダンジョンは心の隙を付いてくるダンジョンだった。
 くるくる回った頭部が、硫酸溜まりの中に落ちて、再び溶けた。
[ 2013/09/16 22:00 ] 小説・短編 不死者遊び | TB(0) | CM(0)

不死者遊び6

 再度復活した私は、姿勢を低くしながらさらにダンジョンの奥へと進む。
「……にしても、結構不快なぁ」
 この辺り一帯の地下が丸ごとダンジョンであるらしく、かなりの広さがあった。
 よほどの大富豪が作ったダンジョンなのだろうと予測は出来たけど、全くもってやりすぎな感がある。
「仮に罠を解除出来るとしても……こんなに深く作っちゃったら、財宝を取りに行くのも面倒でしょうに」
 私はそうひとりごちながら歩みを進めていた。
 そんな私は、遺跡の内壁の様子が変わっている場所に辿り着いた。ここまでの内壁はダンジョンらしいのっぺりとしたもので、いかにも人工物という感じのところだったけど、いま私がさしかかった場所は、いかにも賞乳度的な、自然の洞窟のような状態だ。
 私はなんとなく次に起きることを予想しつつ、足を進める。裸足にざらざらした砂の感触が伝わって来た。
 じりっ、じりっ、と大きな音が立つ。
 そんな風に思った時、天井の方から何かの気配が迫って来る。
 思わず身体を投げ出すようにして避けようとしたけど、そのものの動きは私を遥かに凌駕していた。

 避けそびれた左腕が、凄まじい力でむしり取られる。

「……っ!」
 思わずあげそうになった悲鳴を堪えつつ、私は転がってその場から離れようとした。
 けれど、その際に大きな音を立ててしまい、天井からさっきの気配が今度は無数に飛来してきた。
 辛うじて見えた私の眼には、無数の小さな蝙蝠が移る。けれど、その力は普通の蝙蝠とは比べ物にならない。
 肉を噛み千切られ、骨をへし折られ、目玉をえぐられ、髪をむしられ……私はあっというまに食いつくされようとしていた。
[ 2013/09/17 20:00 ] 小説・短編 不死者遊び | TB(0) | CM(0)

不死者遊び7

 この力の強さ、普通の蝙蝠じゃあり得ない。ダンジョン警備用に強化された蝙蝠だろう。
 侵入者の体を容赦なく食らい、殺しつくす集団の恐ろしさ。
 しかも、単純な噛みつきの脅威だけではないらしい。蝙蝠の牙には毒があったようで、私は体が上手く動かなくなってしまっていた。
 不死者でなかったら最初の一噛みで絶命していただろう猛毒の類のようだ。
(あーあ……シャレになんないなぁ……)
 しかしよくよく考えれば、最初の一噛みで絶命していた方が良かったかもしれない。なぜなら、そのせいで中途半端に生き残ってしまった私は、自分の体が蝙蝠達に食いつくされていくのを感じていたからだ。元々不死者である分、自分の肉体が破壊されるということに対する忌避感はどちらかといえば薄い方だけど、それでもこの醜悪な生き物に生きたまま食い殺されるというのは気持ちのいいものじゃない。
 それでも、そんな存在に噛み殺されるという被虐性は強く、私は食い殺される激痛の中にも、少しだけ快感を感じていた。


 もう何度目の復活かわからない。
 ここ数千年ほどは穏やかに暮らしていたせいで、こんな短時間で何度も復活するという刺激には病み付きになってしまいそうだった。
 何度も死んで、何十時間もかかって、ようやく私はダンジョンの最奥部に到達する。そこにはうず高く宝物が積まれている。
「……ここが……宝物庫かしら?」
 別に宝が目的というわけではないけれど、最後まで到達してしまった以上、もうこのダンジョンに用はなくなった。
 それでも、最後に宝に触った瞬間発動する罠があるのではないかと思い、うずたかく積み上がった宝物に手を触れてみる。
 そして、私の予想通り、その宝の山にはトラップが仕掛けられていた。
 宝の中で、黄金の塊がスライムのように溶け、一気に私に覆いかぶさって来る。流体からは想像出来ないくらいに強い力で押しつぶされた私は、無理矢理体を小さく丸めさせられ、その動きを完全に封じられた。
 まるで私のためにあつらえた球形の檻に閉じ込められてしまったかのようで、どうあがいても破壊できそうにない。
「くっ……これ……は……っ」
 液体はその一部を天井に貼りつけ、まるで蜘蛛が糸でがんじがらめにした獲物を天井から吊るすように、私の体を空中に吊り下げる。
 身動きが取れない私を脱出不能に陥らせるためのことだろう。
[ 2013/09/18 20:00 ] 小説・短編 不死者遊び | TB(0) | CM(0)

不死者遊び8

(これは……ちょっとまずい……かな)
 不死者の復活は理不尽な形で行われる。例え固められても、死にさえすればそれから逃れる場所で復活するのは硫酸の海に沈んだ時からもわかるだろう。
 不死者は死ねば自由な形で蘇る。けれど、今回のように生かさず殺さずの状態にされた場合、餓死などの自然死を待つしかないのだ。
 けれど、この液体金属はそれすらも許してくれないようだった。液体金属は私の口内や肛門に潜りこんで来て、そこで動きを止めてしまう。舌を髪切ることも許さず、また肛門内から死なない程度の栄養分を供給するつもりだろう。
 自殺や餓死を防ぐ様子を見て、私はこのトラップがどうやら不死者に対するためのものであることを知った。
 不死者はこういったダンジョンをクリアするのに長けている。ゆえに、このトラップは私を活かさず殺さずの段階に持っていけるような機能がついているのだ。
 私は身動き一つ出来ない状態を甘受しつつ、まあいいかと思っていた。
 少々つまらないが、きっとその内、何かしらの環境の変化が起きるだろう。
 地殻の大変動が起きてこのダンジョンが崩れるとか、ダンジョンを維持している魔力が消えるとか、このモンスターが自壊するとか。
 それが何億年先の話になるのかまではわからないけど、いつかその時は訪れる。
 そのいつかがくるまで眠るなりなんなりしておけばいい。
 ちょっとした遊びのつもりが、思いがけず長丁場になったけど、別にどうでもいいことだ。、

 私は、数億年後に行う遊びは何にしようかと思いつつ、眠りに着いた。
 
 
~不死者遊び 終わり~
 
 
[ 2013/09/19 23:44 ] 小説・短編 不死者遊び | TB(0) | CM(0)
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