FC2ブログ

黄昏睡蓮

猟奇系、グロ系の18禁小説を書いています。関連の同人・版権作品のレビューも書きます。18歳以下の閲覧禁止。毎日更新を目標にしています。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

お嬢様は『焼き上がる』のがお好き1

 カナエお嬢様には、ミルトア様という友人がいる。
 昔から誰かに食べられたいという願望が一際強かったカナエお嬢様には、友人と呼べる存在がいなかった。いまではそうでもなくなったものの、やはり自分自身を食べて欲しいというのは珍しい性癖だったからだ。特にカナエお嬢様ほどの上流階級の人間が「食べられたい」と思うことはそうない。事実、カナエお嬢様と同年代のお嬢様たちでは、「食べられたい」よりも「食べたい」と思う方が普通だ。
 そういう意味で、カナエお嬢様はかなり浮いていたと言える。
 そんな時、カナエお嬢様が出会ったのがミルトア様で、ミルトア様もまた「食べられたい」という願望を持っていた。

 カナエお嬢様の目の前で、ミルトア様が激しい炎に包まれていく。ミルトア様は一本の棒に縛りつけられた状態で激しい炎に焼かれていた。
「ギャアアアアアアアアアアアアアア!!!」
 ミルトア様もカナエお嬢様と同じで、何度も死ぬ体験をし、痛みには強いはずなのだが、さすがに業火に身を焼かれる激痛には耐えられないのか、激しい悲鳴をあげている。
 そんなミルトア様を、カナエお嬢様は羨望でキラキラと輝く瞳で見つめていた。
「すごい炎ですね……! まるで昔の火刑を見ているかのようですわ……!」
「四方から火炎放射器を用いているようですね。調理用のものではありませんが、全体は派手ですが、ちゃんと肉に火が当たる時の温度は調整されているようですね。かなり繊細な技術ですよ」
 さすがミルトア様の抱えている調理班というべきか、エンターテイメント性を重視していながらも、調理のことも忘れていない。
 カナエお嬢様は焼かれていくミルトア様の様子をじっくり観察しつつ、期待に満ちた声をあげる。
「我が家でも出来るでしょうか?」
「……んー。どうでしょうね。これを真似るのは相当難しいかと。一件荒っぽい調理法ですが、相当な技術の積み重ねあってのものですからね」
 調理場でなら出来るかもしれないが、今回やっているように開けた場所でやるのは無理だろう。
 カナエお嬢様は少し残念そうな顔を浮かべた。
「そうですか……それなら、ミルトアさんにお願いして、今度はわたしを焼いていただきましょう」
「それがよろしいかと存じます」
 そんな風に話していたカナエお嬢様の傍に、豊満な体つきをなさっているミルトア様のオリジナルが近づいてきた。
「ハーイ! カナエ! 楽しんでくれてル?」
 かなり流暢に日本語を話すミルトア様だが、時々あえてやっているとしか思えないレベルのイントネーションで話す。
 カナエお嬢様はミルトア様に向けて、屈託のない笑顔を向けた。
「はい! とても豪快で、圧倒されてしまいます! 以前の串刺しからのじっくり焼きも凄かったですけど、今回のはとにかく凄いですね!」
「楽しんでくれて何よりヨ!」
 ミルトア様のコピー体の断末魔が響く中、カナエお嬢様とミルトア様は仲良く笑い合っていた。

お嬢様は『焼き上がる』のがお好き2

 焼き場からミルトアさんの私室に移動したわたしは、持参した紅茶でミルトアさんと団欒していました。
「そういえば、あれだけ盛大に焼いてしまって、記憶装置は大丈夫なのですか?」
 ふと気になったことを尋ねてみると、ミルトアさんは優雅な仕草でカップをテーブルに戻して応えてくれました。
「アタシのコピー体につけさせているメモリーは、とても強力な耐熱性を有しているのヨ。理論上は溶岩に落としても平気なはずヨ」
「それは……素晴らしいですが、さすがに実践することはできないでしょうね」
 わたしはそう呟きました。溶岩に落ちては食べられなくなってしまいます。
 別にわたしたちは死にたがりではないので、ミルトアさんもその意見には同意してくれました。
 そんな風に先ほどみた火刑式丸焼き調理について話していると、不意にミルトアさんが思い出したというように話を変えました。
「そういえばカナエ、知ってル? 例の新薬開発に成功したそうヨ。もう臨床実験段階までいってるそうネ」
「ほんとうですか!?」
 例の新薬、と言われて、わたしは思わず大きな声をあげてしまいました。
 慌てて咳払いをして誤魔化しながら、わたしは話を元に戻します。
「例の新薬というと……あれですよね。服用すると、全身の骨を溶かしてくれるという……」
「そうヨ」
 食材として人体を加工する際、もっとも処理に悩むのが全身にある骨でした。ひき肉を作る時には骨を除去してからでないと、かなり硬い異物の混入した肉になってしまいます。しかし、肉と骨とを分離させようとすると生きたまま処理することが難しく、コピー体をもってしても、行きながらにしてひき肉にされるというものを体験するのは不可能なことでした。いえ、正確には無理矢理やれば出来ないことも無いのですが、美味しくない肉にしかならないのです。ひき肉にする道具も痛みますし。
 色んな調理をされたいとはいえ、美味しくない肉になるのは嫌なものです。
 それを解決してくれる可能性として開発が進んでいたのが、全身の骨を溶かしてしまう新薬でした。それを呑めば、ギリギリ生きたまま全身をひき肉にされる感覚を味わうことが出来、さらにきちんと美味しい肉にもなるという、夢のような薬です。
 とはいえ開発には技術的な問題がいくつもあり、完成するまでにはまだ数年単位の時間がかかると思っていたのですが……それが近く完成するとなれば、それほどわたしたちにとって嬉しいニュースはありません。
 ミルトアさんもどこか嬉しそうでした。
「昔と違っていまはコピー体という最適な実験体があるからネ。新しい技術が完成されるのも早いのヨ」
「うわぁ……とても楽しみですね! ミルトアさん! その新薬が出来たら、一緒にミキサーにかけられてみませんか?」
 ミルトアさんと混ざり合えば、きっと新しい美味しさを持った肉が生まれるに違いありません。
「Oh! それはとても面白そうネ! カナエとだったら大歓迎ヨ!」
「決まりですね!」
 こんな風に話せる間柄の人が出来るなんて、ミルトアさんに出会うまでは想像すらしていませんでした。
 ミルトアさんと出会えた幸運に、感謝しなければなりません。

お嬢様は『焼き上がる』のがお好き3

 やがて食事の準備が出来たらしく、わたしはミルトアさんと一緒に食堂に向かいます。
 食堂はかなり広く作られていて、大の字になって寝れそうなほど大きな机が余裕を持って三列並ぶくらいです。
 中央の机の上に、『それ』は用意されていました。
 先ほど焼き広場の中央で焼かれていたミルトアさんのコピー体です。全身がこんがりと小麦色に焼け、空っぽの眼窩が天井に向いています。
「カナエ! さっそく食べヨウ!」
「はい。ミルトアさん、いただきます」
 ナイフとフォークを持って、わたしたちはそのミルトアさんの丸焼きの前に立ちました。
 ミルトアさんの身体からはまだ微かに湯気が昇っていて、こんがりと焼けた肉の匂いが食欲をそそります。
 普通、血抜きもしないまま焼いた肉は、さほどいい匂いはしません。味も落ちてしまうので、本気で調理しようと思えば、血抜きは欠かせない過程です。
 しかしミルトアさんの身体はほぼ処理もせず丸ごと焼いているのに、非常にいい匂いが立ち上っています。
 そのための薬というものは存在します。わたしが自分を調理させる際、投与するのがそれで、それによって血抜きをしないままにいい肉の味と匂いをするようにしているのです。
 ですがミルトアさんは前提から違います。ミルトアさんのコピー体の血液は、焼かれることに特化した特殊なものなおです。
 高温を察知して性質が変化するものであり、それによってミルトアさんの焼き肉は血抜きをしないでも十二分な美味しさを発揮するのです。
 わかりやすく言えば、高温によって血液がタレに変化しているものです。そういう性質の血を流しているため、ミルトアさんの肉は、そのまま薬だけで肉の隅々までタレが染み込んだ極上の肉となっているのです。
 給仕の方に切り取って焼いていただいた肉を、わたしは口に運びます。
 ひとかみごとに肉の間から甘辛いタレがじわりと滲み、口の中いっぱいに肉の味を広げ、さらに鼻孔に抜けてきた香ばしい匂いがさらに食欲を促進させてくれます。
「美味しいです、ミルトアさん!」
「フフフ、嬉しいネ! 今日は実によく焼けてるヨ!」
 肉を焼くことに関しては一家言を持つミルトアさんが満足しているのですから、これはもう素晴らしい焼き加減ということです。
 わたしは元来そこまで多食ではないのですが、この肉に関しては異様に箸が進んでしまいました。
 乳房やふくらはぎなど、柔らかい部分を食べてしまうと、大きなナタでミルトアさんの頭部がかち割られました。湯気と共に、真っ二つになった脳が暴かれます。
 脳もまたよく焼けて火が通っているようです。
「……わぁ……頭の中まで、綺麗に焼けてますね。どうやってるんですか?」
「頭のてっぺんにドリルで穴をあけて、そこから鉄棒を突っ込んで焼くのヨ。もちろん、焦げてしまわないようにじっくりと温度をあげてネ」
「なるほど……勉強になります」
 わたしとミルトアさんは、脳を半分こして食べることにしました。
 自分では焼きには向いていないと思っていた脳も、それに特化したミルトアさんの脳なら非常に美味しくいただくことが出来ます。

お嬢様は『焼き上がる』のがお好き4

 ミルトアさんの真っ二つに分かれた頭部を、丸ごと皿のようにして、わたしはスプーンを用いてミルトアさんの脳を抉り出します。
「わぁ……感触的には焼き、というよりは煮込んだ感じですね」
「脳は水気を含むカラネ。乾燥させてしまえばもう少し食感は変わると思うケド」
 わたしは掬いあげたミルトアさんの脳を口に運びます。少しはしたない気もしましたが、一口でそれを口に含んでみます。
 じんわりと脳が崩れ、口の中にちょっと変わった味が広がりました。
「んーっ! ……これは、美味しいですね」
「そうネ! ちょっと苦みがあってネ。もっと甘くしたいんだけどネェ……」
 人肉に甘みを出すのは難しい。脂肪や筋肉、臓器まで出来なくもないけど、やっぱり脳まで甘みを強めるのは難しいのだ。
「そういえばカナエ、知ってル? 生まれた時から桃ばかりを食べさせられて育った娘は、全身とっても甘いらしいヨ?」
「桃娘のことですね。中国の伝承というか、創作かもしれない話ですが……」
「それ、できないかナ? コピー体を作る時に桃を大量に投入すれば……」
 ミルトアさんの直接的な方法論に、思わずわたしは笑ってしまいました。
「さすがに無理だと思いますよ。コピー体は廃棄物の寄せ集めから出来ているわけではありませんし……材料の配合を間違えれば、それは人間にはならないと思います」
「……だめなノ……じゃあ、まずは寄せ集めの材料からコピー体を作る研究カラ?」
「だいぶ時間がかかりそうな話ですね」
 そういうことを乗り越えて来たからこそ、いまのわたしたちがあるのだから、いつかはそういうコピー体が出来るかもしれませんが。
「中国といえば、生きたまま脳を食べるという文化がありましたね」
「知ってル! けど、それって人間でも出来るのカナ? 確かあれは猿だったよネ?」
「出来ない理由はないと思いますよ。問題は脳を直接損壊させることによって、記憶装置にどのようなフィードバックが起こるのかがわからないというところでしょうか」
 記憶を体感できるとはいえ、便利なことばかりではありません。あまりにも過剰な負荷を脳が受けてしまう危険性もありうるのですから。
「あー、そうだネ。なんだっケ? 記憶装置のフィードバックを受けて廃人になっちゃった人がいたんダッケ?」
「数年前の話ですけどね。あれは確か、わたしたちみたいな死体験者の記憶を、一般人が体感してしまったから起こった悲劇でした」
「思い出したヨ! あれは可哀想な話だったネ……彼氏が他殺志願者なんだったっけ?」
「ええ。それに応えようとして、彼女側は予習として、記憶を共有したそうです。バックアップを取る習慣がなかったのでしょうね。リミッターも運悪く外れていたとか」
 あれは本当に不幸な事件でした。彼氏のためにと頑張った彼女が、結局そのために廃人になってしまうのですから。
 あいにくわたしたちにはそこまでして尽くしたい彼氏はいませんが、やりすぎて廃人になるわけにもいきません。
 もっともっと楽しめる食べられ方はあるはずなのです。それを経験するまで、死ぬわけにはいきません。

お嬢様は『焼き上がる』のがお好き5

 その後、わたしとミルトアさんは、ミルトアさんを心行くまで堪能しました。
 ミルトアさんは身体が大きいため、かなり食べておられましたが、それでも、小食なわたしとミルトアさんだけではミルトアさんの丸焼き全てを消費することはできませんでした。
 食後のお茶を呑みながら、運ばれていくミルトアさんの余りを見送ります。
「残った部分はどうするのですか?」
「基本的には使用人に食べてもらうヨ。それでもあまる時は砕いて肥料にして庭師行きかナ」
 わたしは少し驚きました。てっきり全部食べて処理している物と思ったからです。
 その驚きが目を通して伝わってしまったのか、ミルトアさんはわたしのほっぺを軽くつまみます。
「いふぁいです、ふぇるとあふぁん」
「美味しそうなほっぺたネ。……カナエみたいに小柄だったら、悪くなる前に食べきることも出来るんだけどネ」
 そういえばそうでした。わたしは40キロないですが、ミルトアさんの肉は高身長も相成って倍近い量があります。
 わたしでさえ使用人総動員でようやく一人分を食べきれるのですから、ミルトアさんの肉も同じようにするのは無理に決まっていました。
 デリカシーのない物言いでした。
「……すみません、ミルトアさん」
「いいヨ。気にしてナイ」
 快活に笑って、ミルトアさんは許してくれます。
 やっぱり、ミルトアさんと友達になれて良かったと思いました。
「次はカナエの家におよばれするヨ!」
「はい。都合を合わせて行いましょう。次は……生きたまま、脳を食べてみる会、ということで」
「楽しみにしてるネ!」
 そういって笑って、手を振ってくれるミルトアさんに見送られ、私は車に乗って自分の屋敷へと帰るのでした。


~お嬢様は『焼き上がる』のがお好き 終わり~

お嬢様は『焼き上がる』のがお好き まとめ

火炎放射器で肉を焼いてはいけません。普通は焦げます。
続きを読むからどうぞ。
カウンター
プロフィール

夜空さくら (旧HN:黒い月)

Author:夜空さくら (旧HN:黒い月)

はじめに
当ブログは猟奇・グロ系の18禁小説ブログです。関連の同人誌・版権物のレビュー、個人的な語りなども書きます。18歳未満の方の閲覧はご遠慮ください。

『このブログについて』
・当ブログについてです。

『twitter』
・管理人のツイッターです。取りとめのないことを呟いています。

管理人運営の姉妹ブログ一覧
『黎明媚態』(露出・羞恥系)
『黄昏睡蓮』(猟奇・グロ系)
『白日陰影』(箱詰・拘束系)
『夕刻限界』(時間制御系)
『極夜天蓋』(催眠・改変系)
『東雲水域』(性転換交換系)
『星霜雪形』(状態変化系)
『異種祭祀』(異種姦系)

『pixiv』
・イラストは全て3Dカスタム少女を使用し作成して投稿しています。基本は小説の投稿です。

『ノクターンノベルズ』
・一部の小説をこちらでも掲載しております。
カテゴリ


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。