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黄昏睡蓮

猟奇系、グロ系の18禁小説を書いています。関連の同人・版権作品のレビューも書きます。18歳以下の閲覧禁止。毎日更新を目標にしています。
月別アーカイブ  [ 2013年07月 ] 

食人病2

 彼はまずさきほどちょっとかじっていた私の右手から食べ始めました。特に調理を何もしていない生人肉ですが、新鮮なものはそれだけでも十分食べられます。まあ、食人病の人以外の人が食べるのは無理だと思いますが。
 食人病の人は歯や顎が異様に発達し、その力も大きく向上しています。昔は兵士として戦争にかり出されることもあったという話ですが……それはまあいいでしょう。とにかく、人を食べるために体がつくり変わっているので、問題なく人肉も食べられるのです。
 ばりばりと二の腕辺りが骨ごとかじり取られました。もう神経はつながっていないのに、思わず体が震えてしまうのは仕方ないというものでしょう。数分前まで私の一部だった体が彼に食されていく。こんな幸せは他にありません。
 次に彼は血を飲んでいきます。普通、人の血というのものはすぐに凝固してしまってろくに飲めたものではないのですが、私の流す血は体に流れていなければただの水とそう変わりがないものです。むしろ、体から離れない内は普通の血に近いですが、離れて暫くすると普通なら凝固するところが逆に水に近づくという感じです。色的にはトマトジュースですが、どちらかというとスポーツドリンクの方が食感は近いらしいです。
 自分で自分の血を飲むことはありませんので、あくまで彼が言っていた内容によるのですが。
 彼はまた右手に戻り、今度は指を噛み千切ります。小指が一番おいしいらしく、彼はいつも親指の方から食べて小指の方へと向かいます。すっかり指がなくなってしまった私の手は、なんだか奇妙な形になってしまいました。指がなくなっただけだというのに、おかしな話です。
「うーん、やっぱり小指はうまいな……鳥の軟骨みたいなこの食感がたまらない」
 こりこり、バリバリ、ぐちゅぐちゅ。
 彼はすっかり指を平らげてしまうと、手のひらを丸ごと口に入れ、手首のところで噛み千切ってしまいました。さすがに一度に口にいれた分がちょっと大きかったのか、租借しにくそうにしていた。
「むぐ……もむぅうむ」
 その状態で喋ろうとするので、私は少し怒って口を開きました。
「行儀が悪いですよ。ちゃんと飲み込んでから喋ってください」
 私の言葉を聞いて、素直に口の中のものを完全に飲み込んでから彼は改めて口を開いた。
「ごめんごめん。……けど、もう舌治ったの?」
 私は赤い舌をぺろりと出して見せました。彼は感心したように唸る。
「早いな……前はもっと時間かかってなかったけ?」
「何度も繰り返すと細胞が馴染んでくるみたいです。特に口の中は元々治りやすい箇所ですしね」
 さすがに腕はそんなに早く治らないのですが。
「ところで、そろそろ急がないとまずいのでは?」
 私がそう時計を見るように促すと、彼は目を見開いて慌てました。
「やっべ、今日朝一で会議なんだった!」
 慌てて彼は残った私の右腕を食べると、ボウルの血を飲み干し、左腕を布でくるんで鞄につっこんだ。あんまり乱暴に扱われるとさすがに愉快な気持ちにはなれない。
「きちんと食べてくださいね。前みたいに残したりしたら承知しませんから」
「いや、あのときは暑かったからちょっと腐っちゃって……ごめんなさいなんでもないですその目はやめて怖い」
 少し力を込めて睨むと、彼はすぐに謝ってくれた。どうも私は目力があるみたいで、彼はそんな私の目が怖いらしいのです。
 正直怖がられるのは本意ではないのですが、彼が反省してくれるのならばよしとしましょう。
 私は腕が使えないので転ばないように注意しながら、食卓の上から降りました。
「早めに帰ってきてくださいね」
 玄関まで見送りにいくと、彼は出て行く前に私に軽くキスをした。さすがにこのときは何もしない。唇くらい噛み取られるかと思ってたけど。
 彼は笑顔で玄関を開ける。
「わかってるよ。それじゃあいってきます」
「いってらしゃい」
 彼が出て行った後、私はキッチンに戻り、自分用に用意しておいた朝食を口にします。
 それは全部手が使えなくても食べれるようにしておいたもので、ストローで飲めるようになっています。特別にエネルギーが大量に含まれていて、これを食べることでさらなる再生を促すことが出来ます。
 少し再生しつつある腕を見て、私はため息を吐きました。
「……うーん。まだまだ足りないなぁ」
 彼は本来結構な大食漢でした。食人病になると食欲を満たすことが出来るのは人の肉だけになってしまいます。普通の食材も食べられなくはないのですが、やはり人肉を食べるのが一番いいのだと言われていました。
 一般的に食人病の人が一日に必要な食事量は一人分らしいですが、大食漢な彼は一人分じゃ満足できないのがわかっています。本人は食べられるだけ幸せと言ってくれますが、私としては彼がおなかいっぱい食べてくれれば嬉しいです。
 ですので、私は再生力に磨きをかけることにしているのです。そうすれば、彼がいくら食べても大丈夫ですし。
 とりあえず、私は両腕が生え揃うのを待って、今日の家事を行うことにしました。


~続く~
[ 2013/07/17 20:00 ] 小説・短編 食人病 | TB(0) | CM(0)
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