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黄昏睡蓮

猟奇系、グロ系の18禁小説を書いています。関連の同人・版権作品のレビューも書きます。18歳以下の閲覧禁止。毎日更新を目標にしています。

お嬢様は『漬け込まれる』のがお好き 3

 硬く瞼を閉じてもかすかに染みこんで来たのか、目に激痛が走ります。
 成分が染みこんでくるタレによって眼球はその機能を失い、私が日の光を見ることはもうありません。
 そのことに対するわずかな寂しさより、自分が食材へとなる喜びが勝っていました。
 私はタレのプールの中で口を開け、周囲に満ちている大量のそれを飲み込みます。当然、鼻からもそれが体内に入ってきて、溺れているのと変わらない苦しみが襲いますが、根性で耐えました。
 そもそも、タレが浸透しきった部分の身体は麻痺しつつあったので、本気で抜け出そうとしても、浴槽の縁に腕をあげるくらいが精一杯だったでしょうけど。
 肺の中に空気の代わりにタレが入り込み、一気に気が遠くなります。少しでも多くの空気を吐き出すべく、努力しましたが、果たして本当に出せているのかもわかりません。
 肛門の機械は絶えず動き続けており、身体がさらに膨らんでいるのがわかります。
 きっと私の肉は美味しく食べてもらえることでしょう。
 私はそう願いつつ、意識を闇の中に溶かしました。


 漬け込まれた『私』が死んだようで、意識が元の肉体に戻ってきます。
「いかがでしたっすか? お嬢様」
 タレを調合してくれたミラノさんがそう私に問いかけて来ます。その少し奇妙な言葉使いに、部屋にいた礼司さんが眉をひそめるのが見えましたが、私は特に気にしません。
「そうですね……『私』も努力はしましたが、やはり意思だけでタレを体内の隅々まで浸透させるのは難しそうですね」
 ただ、そのことは事前にミラノさんにも言われていたことでした。
「やっぱ、そうっすよね。そうなると、あとは身体の各部に直接針を刺して、別個に注入するとかっすかねぇ……」
 注射針程度の穴だとしても、身体を穴だらけにするのは少し抵抗があります。
 無論最終的に調理する時には切り裂いてしまうわけですが、それとこれとは別の話なのです。
 例えば野菜とて形の歪なものより、形の整ったものの方が美味しく見えます。味に関係ないとわかっていても、やはり見た目の美しさというのは重要なものです。
 ましてや、いま議題に挙げているのは人肉なのですから。醜い者より綺麗な者を食べたいと思うのは自然の発想だと思うのです。
「うーん。できれば身体に残る傷は少なくしたいのですが……」
「それだと難しいっすよ……死んだあとでならなんとでも出来ると思うっすけど、生きたままとなると」
「難しいですねぇ……」
「これ以上タレの浸透力をあげてしまうと、今度は表面と奥でタレの濃度が違いすぎて、味がばらついちまいますし……」
 ままならないものです。
 ともあれ、今回はまだ初めての試み。まずはタレに漬け込んだ私の肉がどんな味になるのかというところもわかっていません。
「礼司さん、早速ですが漬け込んだ『私』を調理してくださいますか?」
 料理人の礼司さんにお願いします。礼司さんは恭しく頷いてくださいました。
「承知いたしました。ですが、少々お時間をいただきます」
「タレが乾くまではお嬢様の前に持ってこれないっすしね」
 浸透力が強力なあのタレですが、なんと一端乾くとその効力が失われて、タレの味だけが残るらしいのです。
 オリジナルである私の身体にタレの味を染みこませるわけにはいかないため、その事実はとてもありがたいものでした。
 私は漬け込まれた『私』の味を想像しつつ、どんな料理になって出てくるのかが楽しみでした。




 防護服に身を包んだ男ふたりで、その部屋の中に入る。
 ガスマスク越しにも濃いタレの匂いが感じられ、思わず礼司は顔をしかめた。
「……おい、ミラノ。本当に大丈夫なんだろうな、このタレ」
「信用ないっすねー。一応俺も同じ会社の社員なんすけど……」
 ミラノは苦笑いと共にそう口にする。
 彼の所属する会社は、お嬢様の家が率いる総合商社の子会社という立場にある。
 大まかな枠組みでいえば、食人系統の会社であり、同じ所属といえるのだが、礼司とミラノではその対象とする相手に大きな差があった。
 お嬢様のような富裕層をターゲットとした料理人である礼司と、一般庶民をターゲットとした会社員ミラノ。
 扱う食材は同じ人肉でも、その扱い方には大きな隔たりがある。
 決して礼司は一般庶民を対象としているミラノの仕事を軽んじているわけではない。
 だが、それと同じ扱いをお嬢様にされては困る、というのも事実なのだ。
 大量生産品である人肉と違い、お嬢様という人肉は存在が限られている。それを無暗に損なうようなことをすれば、首が飛ぶのは礼司なのだ。
「信用はしているさ。だが、無闇な信頼でお嬢様の品質に影響が出れば、それは専属料理人として私の落ち度になる。慎重にもなるさ」
 その言葉を聞き、ミラノも少し僻みが混じっていたと認めた。
「僻みが入っちまってすいませんね……ここだけの話、富裕層の人らって俺らみたいなのは見下してくることが多くて。ここのお嬢様は……その、なんというか、変わってるっすよ」
 もちろん悪い意味じゃ無くて、とミラノが弁明するのを、礼司は苦笑いで受け入れる。
「……かもしれんな」
 彼らの主足るお嬢様は、誰にでも丁寧に接する。
 決して身分による偉ぶった態度は取らない。
 それは彼女が自分を『食用の肉』としか考えていないことの表れでもあった。喰う者と喰われる者、それらは互いに尊重されるべきだと考えているのだと、礼司は聞いたことがある。
 実は、この世界でコピー体を食用にしている富裕層というのは少なくない。
 本来のコピー体というのはオリジナルが事故や病気などで何らかの欠損を生じさせた時、そこを補う形で使われるものだ。
 しかし、コピー体の寿命は短く、常に作り置いておくには短いスパンで繰り返し生み出す必要がある。新しいものを生み出すために古いものは破棄されていくわけだが、ただ破棄するのはもったいない、という発想が富裕層の食肉化を生み出した。
 結果として、富裕層が競い合うようにして自らの身体を磨きあげ、美味しい肉を生み出すことが普通になった。
 この館のお嬢様はそれが当たり前の時代に生まれ育った世代であり、それこそが彼女の富裕層の中でも珍しい価値観を生み出す結果になった。
 お嬢様より前の世代の者は、『高貴な肉を喰わせてやっている』という自尊心の強い者が多く、お嬢様より後の世代になると、今度は食肉として提供する者が少なくなってくるのだ。それはまた別の話だ。
 富裕層向けと一般庶民向け。
 狙う方向も扱い方も違えども、人肉を扱う仕事人であるふたりが、協力してお嬢様の調理に取りかかった。
 まずは、タレの底に沈んだお嬢様を引き上げなければならない。
「いつもはL字フックを口の中にぶっ刺して引き上げるんすけど……それだと雑に傷つけちまうんで、今回はこれを使うっす」
 そう言って彼が取り出したのは、丈夫な金具が取り付けられている、バルーンタイプの口枷だった。

つづく

お嬢様は『漬け込まれる』のがお好き 2

 肛門を塞ぐように突き刺さっているそれは、ただのアナル栓ではありません。
 特殊な機械が内蔵されていて、それは設定した時間通りに動き始めました。
「う……っ……!」
 肛門が無理矢理こじ開けられる感覚が生じ、タレのプールが波打ってしまいます。波打った拍子にタレが跳ね、頬にかかってしまいました。まだら模様になるのは嫌ですがいまさら拭うこともできません。
(今度漬け込む時は、身体を縄かなにかで固定しておいた方がいいですね……)
 私はそう考えつつ、身体の中で動く機械の感触に集中します。
 栓は直径五センチほどに広がり、私の括約筋を無理矢理広げてぽっかりと穴を生じさせています。栓の中は空洞であり、その隙間からタレが私の身体の中に入り込んで来ました。
 腸の中に残っていた空気がぽこぽこと浮かんできて、少し恥ずかしくなります。しかしすぐにそんなことを気にしている余裕はなくなりました。
 なぜなら、栓はただ穴が空いただけではなく、その内側に向けてタレを流し込み始めたからです。この栓はいわゆるポンプの役割を果たすもので、外に満ちているプールのタレを、私の腸にドンドン送り込んで来るのです。
 その勢いは決して速いものではありませんが、確かな実感を持って私の中を満たしていきます。大量に浣腸をされているのと変わりありませんが、それが排泄を目的としておらず、送り込まれた分、体内からタレの味を浸透させていっているということでしょうか。
 もっとも、身体全体にタレを浸透させるのであれば、血管に流すのが一番いいのでしょうけど……さすがに血管を流れるほどさらさらとした液体ではありません。
 それに血管に直接流すような真似をしたらすぐに肉体が死んでしまって結局全体に流すことは出来ないでしょうし。
(血液をタレの味にする方法があればいいのですが……)
 それはまた別の研究が必要でしょう。
 そんなことをつらつらと考えている間にも、肛門の機械は正しく起動し続け、私の体内をタレで埋め尽くしていきます。視線を降ろしてみれば、細かった私の腰は膨れあがったお腹がぽっこりと存在を主張しており、他の内蔵を圧迫する苦しみを生み出していました。
 さらにタレは身体に浸透して来ますので、圧迫して苦しいだけでなく、刺すような痛みも生み出していました。斬るとか折るとかとはまた別種の痛みですので、色々な痛みに慣れている私でも、この痛みには顔を顰めて額に油汗をかいてしまっていました。
(そろそろ……いいでしょうか)
 私は思ったように動かない手をなんとか動かしてお腹をさすります。食べてもらうためにここまで苦しんだのですから、美味しくなって欲しいという願いを込めて膨らんだお腹を揉みしだきます。瞬間、地獄の苦しみが腹部を中心に爆発しましたが、身体を震わすに留めて、耐えました。
 タレが胃の方まで逆流してきたのか、急にげっぷが出てしまいました。タレによって押し出された空気が溢れて来ているのでしょう。
 満たされるだけ満たされるべく、私は空気を口から吐き、そして最後の覚悟を決めました。あとは身体の感覚だけが頼りです。
 私は瞼を閉じ、突っ張っていた脚の力を緩め、頭まで全身をタレのプールに浸からせました。

つづく

お嬢様は『漬け込まれる』のがお好き

 その液体の中に入ると、途端に体中からぴりぴりとする感触が走ります。
 思わず顔を顰めてしまったのを見られていたみたいで、ミラノさんが気を遣ってくださいます。
「大丈夫っすかお嬢様? 結構な刺激物なもんで……目とかに入ると失明確実なんで気をつけてくだせえ」
 最終的には頭まで浸かるつもりなので遅かれ早かれ、ではあるのですが、まだ見えなくなるのは早すぎます。
「ありがとうございます。ミラノさんこそ、気をつけてください」
「私はゴーグルつけてるんで大丈夫っすよ。……とはいえ、この匂いはさすがにキツいんで、そろそろ別室に移動させて貰いやす」
 いまこの部屋には液体の匂いが充満しています。決して嫌なだけの臭いではないのですが、何事も限度があります。髪や肌に匂いが付いては大変です。
 ミラノさんは作業を終えるとそそくさと部屋から出て行ってしまわれました。
 私はその部屋の中に取り残され、深呼吸をして濃密な匂いを身体の中にあえて取り入れます。それが目的なのですから、匂いが十分にすみついてくれないと困るのです。
 私はその特製の『タレ』のプールに、裸で腰から下の身体を漬けていました。

 数日前、私は『私』の刺身を食べていました。
 私の身体は日々の調整の結果、何もつけずに食べても味わい深くなるようになっています。なので、刺身にした肉も、ほどよい脂肪の甘さと肉の濃厚さで、十分食べられるようになっていました。
 醤油などのタレを付けて食べることも出来ましたが、肉の味がぼやけてしまうのです。
 そのことが、私には不満でした。
 無論、肉を肉のまま、肉だけで食べて一番美味しいのが理想ではあります。ですが、食材としてみた場合はどうでしょうか。
 色々な食べ方があってこその食材です。ひとつの食べ方しか出来ない食材は、簡単に飽きられてしまうかもしれません。
 そうならない至高の味を追求するのはもちろんですが、それはまだ遠い理想の話です。
 そこで、発想を変えてみることにしました。
 なんらかのタレに肉をつけ込んで熟成させ、タレ込みの味を熟成させるのです。
 その試みの一つ目が、肉に浸透しやすいように作成したタレに、身体を漬けてみるというものでした。

 このタレは特別製で、本来は時間をかけてつけ込むものを、短時間かつ強力に肉にしみこむようにしたものです。
 しばらく浸した足をあげると、タレの色に変色していました。シミ一つなく白かった私の足は、こんがりと日に焼けたあとのような、小麦色になっています。
 タレが皮膚に浸透してくるとき、それなりの痛みを発しますが、その分味が染みこんできていることがわかるので、都合がよいものでした。
 私は水槽の端に頭が乗るように、身体全体をタレの中に沈めて行きます。敏感な乳首がタレに浸かり、身体が跳ねそうになるほどの刺激を生み出しますが、意思の力で身体を押さえ込みます。身体が暴れてタレが零れたら大変なためです。
 タレは半透明であるため、視線を下に向けると、タレの中に沈んでいる自分の身体が見えます。その身体の中央、股間の、膣の入り口がある場所は、医療用のクスコによって大きく広げられています。
 そうなればもちろん体内にもタレが入り込んで来ていて、私は相当な痛みを身体の中から感じていました。けれど、それもまた食材としての務めだと思えば、耐えられました。
 それに、まだこれは序の口なのですから、こんなところで音を上げるわけにはいきません。首から下の身体にタレが染みこんでくるのを感じつつ、その装置が動き出すのを待ちます。
 いま、私の肛門には特別な機械が挿し込まれていました。

つづく
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Author:夜空さくら (旧HN:黒い月)

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