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黄昏睡蓮

猟奇系、グロ系の18禁小説を書いています。関連の同人・版権作品のレビューも書きます。18歳以下の閲覧禁止。毎日更新を目標にしています。

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ああ、残酷な幻想 ~ケンタウロスの饗宴~ 5

 合図を受けてその商人がケンタウロスの集落に近付くと、待っていたのは大量のケンタウロスの死体と、広場の火を使ってそのケンタウロスを焼いて食っている男だった。
 堂々と座り込み、太い馬の足を丸ごと焼いてかじりついていたその男は、口にしていた肉片を吐き出しつつ、傲岸に言う。
「遅い。合図を出したらすぐに来いと言っておいただろうが」
 不機嫌そうな男の言葉に、商人は冷や汗をかきながら低頭する。
「す、すいやせんダンナ……なにせ、このあたりはケンタウロスの集落ですから。少し前にはここを通った商人の一家が食われたって話も」
 突然、商人の言葉は途切れた。座って食事をしていたはずの男が目の前に立っていたからだ。
 その男が構える紫色に光る剣先が、商人の首筋に添えられていた。
「言い訳するな。俺に関係ないし、時間の無駄だ」
「す、すいやせん!」
 声を絞り出す商人に対し、男は剣を収めた。
「とりあえず、これでいいんだろう? ケンタウロスの主力は落とした。残ってるのはメスだけで、そいつらからも戦闘力は奪っておいた」
「え、ええ。もちろんでさぁ。報酬につきましては、いつも通り……」
 そう言って商人は羊皮紙の束を渡す。それを確認した男は、満足そうに頷いた。
「ああ、この亜人種の情報だけで構わない。ところで、そろそろおまえの持つ情報も尽きるか?」
 嘘を許さない男の目に、商人は素直に認めた。
「今回の分で最後でさぁ。代わりに、海の商人を紹介しますんで、今後はそっちでお願いしやす」
「わかった。……ああ、そうそう。今回の戦利品のうち、一つはもらうぞ。全部渡すつもりだったが、気が変わった」
「もちろん、問題ねえですよ。好きなだけ持って行ってくだせえ」
 契約をなにより重視するのが商人と言うものだが、なにごとにも例外というものは存在する。
 その一つがこの男との取引だった。この男に関してだけは対等な契約など望めない。
 男の持つ力は本来なら商人との取引など必要とせずに全てを手に入れることのできるものだ。
 あえてしようとするなら、彼は一人で世界のすべてを敵に回し、その上ですべてを手に入れるだろう。
 商人としては彼の逆鱗に触れないようにして、彼の怒りを買わないように気をつけるしかない。
「私兵は連れてきているな? ここの後始末は任せる。残ってるものは好きにしろ」
 第一、彼の行動に関わるだけで、元々の契約から多少損をしようとも十分すぎるほどの見返りは決まっているのだ。
 だから商人は集落から去っていく男を黙って見送った。

 世が世なら勇者と呼ばれ、魔王と呼ばれる最強の魔物と争うことになっていただろう人間の男は、特に感慨を見せることなく滅ぼしたケンタウロスの集落を後にした。


 男は集落から少し離れたところに繋いであった今回の戦利品のところへ戻る。
 その戦利品は、男の接近に従ってその大きな体をまるで子鹿のように震わせた。そんな様子を見て、男は不満そうに鼻を鳴らす。
「別におまえを切って食うつもりはない。あまり震えられると乗り心地が悪いからさっさと慣れろ」
「……!」
 言葉による返答はなかった。ただ、上半身ごと首を上下させ、恭順の意を示す。
 男がそこに繋いでいたもの。それは先ほどケンタウロスの集落で捉えたメスのケンタウロスだった。ただし、その両腕は根元から切断されており、二度と何か物を掴むことはできない。口には太い棒が横向きにかまされており、それが馬でいうところの轡になると同時に、彼女から言葉を奪っている。
 ただし手綱はそこからは伸びていない。彼女の両乳首をそれぞれ金属製の輪っかが貫通しており、それに手綱らしき紐が繋がって後ろの方へと伸びている。背中に取り付けられた鞍に紐は繋がっていて、それを使って行き先を誘導するのだと見えた。
「普通に歩いた方が早そうだが、たまにはこういう趣向も悪くないな」
 新しく作った移動手段を見た男は和やかに微笑む。完全に男の気分だけでいいように馬扱いされているケンタウロスの娘は、本来ならば激怒していただろう。そもそもケンタウロスを馬と同じように扱うなど、人間を猿と扱うのと同じでこの上なく屈辱的な扱いだからだ。
 しかし、ケンタウロスの娘には反抗的な気持ちを抱くことさえできなかった。男がケンタウロスの集落をたった一人で落としたという事実と、両腕を切断される際には嫌という程恐怖を刻み込まれたからだ。
 生き残りたいのなら、男のやることに刃向かうことは許されない。
 ケンタウロスの娘が悲痛な決意を固める傍、男は地面に転がしてあった二つの生首を見やる。
「もう十分だな。別れの挨拶は済んだだろ?」
 二つの生首は、人間の姉妹のものだった。男の魔剣の力でまだ生きていたが、それはただ生きているというだけで死んでいるのと変わりない。それでも、最後に視線を交わす程度の別れは済ませられたようだ。
 男が腰に下げていた剣に触れると、二つの生首は事切れた。それはあまりにあっけない死であるいは二つともとっくに死んでいたように思えること切れようだった。
 男は地面に転がる二つの生首をおいて、ケンタウロスの娘の背中に乗る。乳首に繋がった紐を軽く引っ張り、進むように促した。
 従順に従うケンタウロスの背に揺られながら、男は次なる目的地を目指して移動を始める。
「次は人魚でも狩るかな」
 勇者の歩みは、魔王のいないこの世界ではだれも止められない。


ああ、残酷な幻想 ~ケンタウロスの饗宴~ おわり
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