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黄昏睡蓮

猟奇系、グロ系の18禁小説を書いています。関連の同人・版権作品のレビューも書きます。18歳以下の閲覧禁止。毎日更新を目標にしています。

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殺人プレイ『封殺』

※手紙状に人体を加工するのは普通無理です。
続きを読むからどうぞ。
殺人プレイ ~封殺~
夜空さくら


 まりかさんとの同棲生活が始まって、早3ヶ月。
 この三ヶ月、色々なプレイに興じていた僕たちだけど、ある日まりかさんから思いもかけない提案があった。
 いつも通り朝食を摂っている時、まりかさんもいつもの栄養の取り方で再生して、透明なタッパーから這い出て来て、机の端に腰掛けてから口を開いた。
「水無くん。そろそろ一度実家に顔を出そうと思うんだけど、頼まれてくれないかい?」
「え? た、頼まれてくれないかって………な、なにを?」
 そのとき僕はいつもとは全く違う理由でドキドキしていた。実家という言葉と、頼みごとという組み合わせが、なんだか妙な気分にさせている。僕と彼女はプレイにおけるパートナーであるから、「そういうこと」ではないと思いつつも、つい期待してしまう。
 三ヶ月も一緒にご飯を食べ、同じ屋根の下で寝て、濃い殺人プレイに興じてきたんだから、つい勘違いしてしまうのも仕方ないと思う。
 けれど、まりかさんのお願いというのは、僕の想像を超えて、とんでもないことだった。
「私を手紙状に加工して、実家に送って欲しいんだ。そのあと送り返されてくるのを受け取って欲しい」
「え……?」
 あっけにとられて呆然とする僕に対し、まりかさんは楽しそうに話を続ける。
「いや、前からやってみたいとは思っていたんだけどね。送るのと受け取るのが自分じゃどうしてもできないから……パートナーを得たら一度はやってみたいと思っていたんだよ」
「そ、そうなんだ……」
 僕はそう答えつつ、しかし確認しておかなければならないことを聞く。
「それは、まあ、いいんだけど……それ、やって大丈夫なの? ご両親から、怒られたり、訴えられたりしない?」
 殺人プレイ愛好会みたいなところに所属して、その愛好者たちとたくさん会っていると感覚が麻痺してしまうけど、殺人プレイは相当マニアックなプレイだ。一昔前でいうところのハードSM並に市民権は得ているけど、それに対する反発が強い場合は本当に強い。
 そしてそういう場合、基本的に年配の人なら年配の人ほどその感覚は強くなる。まりかさんの両親が何歳なのかは聞いてないけど、基本的に僕たちくらいの親の世代はまだ殺人プレイに対してそこまでの理解が浸透していない世代のはずだ。
 大事な娘をハガキ状にして送って来られたら、普通は激怒するだろうし、それこそ本気で訴えられても文句は言えない。その心配をしていたのだけど、まりかさんは気楽な様子だった。
「その点は大丈夫。なにせ元々私が殺人プレイに嵌るきっかけを与えたのは両親だからね」
「え」
「両親も愛好家だったんだよ。いまはさすがにやってないみたいだし、愛好会はまだない時代だったから二人だけで楽しんでいたらしいね」
「……そうなんだ」
 何気に殺人プレイ愛好家のサラブレッドだったらしい。まあ、ノーマルな両親から僕みたいになるよりかは、自然かもしれない。
 それならまあ、いきなり娘がはがきになって送られて来ても、「元気に楽しんでるな」になるのかもしれない。訴えられることがないということさえわかれば、それはよかった。
「とりあえずわかったよ。けど、人をはがきに加工なんてできるかな……?」
 プレス機みたいなものがあれば可能だろうけど、あいにくうちにそういうものはない。いくらまりかさんが小さくなれるとはいえ、そういうのに代用できそうなものもないし……。
 僕がそう思っていると、まりかさんは机の端から飛び降りながら、普通の大きさに戻る。人形サイズの時に見慣れているとはいえ、突然裸の女性が現れたような気になって、思わず目を逸らしてしまった。
「その点は心配なかれさ! この前外に買い物に行ったとき、その辺の準備もしておいたから」
 彼女に使ってもらっている箱の中から、まりかさんはワンピースを取り出してそれを身に着ける。下着とかは用意出来てないから、彼女は人間状態の時、それだけを身に着けている。想像するしかできないけど、結構恥ずかしい格好だと思うんだけど、元々人形状態で全裸に慣れている彼女はノーブラノーパン状態をあまり気にしないみたいだ。ちなみに、通常まりかさんの胸は結構大きい方なんだけど、部分縮小を使って小さくしているため、特に下着がなくても問題ないらしい。
 まりかさんは続いて、箱の中からその道具を取り出した。
 それは、肉を叩き潰すために使われるような、叩く部分の面積が広い鉄のハンマーだった。それから、丈夫そうな四角い弁当箱が二つ。
「……? ハンマーはわかるけど、その弁当箱はどう使うの?」
「これ、すごくシンプルな形してるよね? これをこうして……」
 二つの弁当箱は、重ねてしまえるようになっていた。その底面同士がぴったり合うくらい。
「なるほど……それで仕上げのプレスをするってこと?」
「そう。うまく行くかどうかはちょっとやってみないとわからないけど。それからね……ちょっと柊山さんから譲ってもらったものが……」
 まりかさんは言いながら一種のスプレーみたいなものを取りだした。それは僕も見たことがあるものだった。
「それ……一時保存用の奴じゃない?」
 僕達現代人が体内に持っているナノマシンは、自動的に体の損傷を回復させてしまう。させてしまうという言い方もおかしい話だけど、殺人プレイ愛好家の中には、最終的に回復するのはいいとしても、暫くは死体の状態を楽しみたい、暫くは死体のままでいたいという人もいた。
 そんな人たちのために、色々な制約を乗り越えて、色んな条件を鑑みて作られたのが、その『コーティング剤』だった。
 これを塗ることによって、一時的にその状態で固定することができる。専用の解除薬を使わなければ固定を解除することはできない。コーティングするときの状態にもよるけど、大体2~3か月はその状態を維持することができる。それ以上コーティングし続けてしまうと、自動的にコーティング剤は剥がれ、元に戻ることになる。そういう安全策は用意されている……とはいえ。
「そう。これを最後に使ってもらえば、その状態でぴったり固まるはずだね」
 まりかさんは楽しそうにそういう。僕は少し考え込んだ。
「……そうだね」
「どうかしたのかい?」
 こっちの表情を読まれてしまったのか、まりかさんが尋ねてきた。僕は首を横に振る。
「いや、コーティング剤で死亡事故があったなぁ……と思っちゃっただけ。気をつければいいだけなんだけど」
 うちの愛好会ではまだ起きたことはないけど、コーティング剤による死亡事故が報告されていた。それはとても不幸な出来事で、コーティング剤を用いて限界ギリギリの殺人プレイを楽しもうとした結果、コーティング剤を厚く塗りすぎて何か月経ってもその状態が解除されず、なまじ塗られていた側が死亡さえ受け入れていたためにナノマシンの緊急装置も働かず、そのまま本当に死んでしまったという事故が起きていた。
 それ以後、コーティング剤を厚く塗ることもナノマシンの基本禁止事項に組み込まれ、再発事故は起きていないのだけど、そういう死亡事故があるという事実に、万が一のことを考えてしまい、少し気持ちが暗くなる。せっかくまりかさんという最高のパートナーと出会えたのに、それが失われてしまうかもしれないというのは怖い。
 そんな僕の不安を、まりかさんは笑顔で否定した。
「そんなに心配しなくても大丈夫。私の実家は近いから、送って送り返されてでも一週間もかからないと思う。それに、コーティング剤の事故は塗りすぎたからだし、普通なら最悪でもどこかで解除されるしね。いや、正直そんな事態にはなってほしくないけど。さすがに私でも恥ずかしいよ」
「……そうだね」
「なるべくむき出しの状態で運ばれたいけど、さすがにそれは運んでくれる人たちに迷惑かなぁ。実際にやってみて、一目でそうだとわからないならそのままで送ってもらえるかい? もしダメそうなら、仕方ないから普通封筒に入れてお願い」
 キラキラとした目で、期待した声で言われてしまうと、さすがにそれ以上どうこう言うことはできない。僕は覚悟を決めることにした。
「わかった。じゃあ、早速始めちゃう?」
「うん!」
 普段は理知的で大人っぽい雰囲気を持つまりかさんだけど、殺人プレイができるという時はやたらと子供っぽく無邪気になるんだから、まったく可愛いなぁと思う。


 まりかさんが再び小さな人形サイズになって、丈夫な弁当箱に収まるように寝そべる。ハガキサイズに収まるように大きさを調整しているのか、ひらべったくなれるようにしていた。
 簡単に表現するなら、M字開脚で両手を顔の両脇に置くように沿えている。つまりは、潰されたカエルのような格好だ。結構屈辱的な格好だと思うのだけど、まりかさんはあまり気にしている様子はない。それは別にそんな格好を恥ずかしく思っていないわけではなく、死体を晒すような真似をするわけだから、そういう羞恥も含めて楽しんでいるのだ。
「じゃあ、お願いするよ」
 少し頬を染めて、それ以上にすごく楽しそうな顔でまりかさんがそう求めてくる。僕はさすがに苦笑しながら頷いた。
「わかった」
 まずは弁当箱が割れないように、弁当箱の下に衝撃を吸収する用の分厚いタオルを敷く。そして、改めてマリカさんに向けてハンマーを構えた。
(さて……どこから叩き潰そうかな)
 綺麗に潰すことを考えるなら、端から潰していくべきだろうか。それとも、血液が溢れることを加味して、真ん中からいくべきかな。
 まりかさんはいまにも振り下ろされそうになっているハンマーを見つめて、ドキドキしているようだった。明らかにその目が期待に満ちている。
 僕はそんなまりかさんのあそこを見た。そこからは明らかに興奮しているのが明らかな証拠がてらてらと流れている。
(……うん。やっぱり……頭は最後として……最初は……)
 そこから、叩き潰すことにした。
 ハンマーを振り下ろす。
 その感触は、なにに例えればいいのか、ちょっとわからない。掌から伝わってくる感触的には、折り紙で作った鶴を手のひらで押しつぶしたときの感覚というか……なんというか、『くしゃっ』て感じ。
 小さくなったからといって強度がもろくなっているというわけではないはずだけど、その時のまりかさんの体が潰れる感触はそんな感じだった。
「ぐ、ぎゅ……っ」
 悲鳴をあげそうになったのか、まりかさんが変な声を絞り出す。
 僕はハンマーを持ち上げた。そこには、ぺしゃんこに潰れたまりかさんの下腹部があった。恥骨が砕けたというレベルじゃなく、ぐちゃりとぺしゃんこにつぶれている。
 その光景に、やっぱり僕は違和感を覚えた。
「まりかさん、もしかして……なにかしてる?」
「……っ、わ、わかるかい?」
「うん、まあ……だって普通の人体がこんな簡単に潰れるなんておかしいし」
 痛みをこらえながらだからか、まりかさんは荒い息を吐きながら、とぎれとぎれに応えてくれた。
「……はぁっ……はぁっ……体内の、骨だけをもっと小さくして、るんだ。そうしないと、綺麗に平たくなれないかと思って……」
「……そこまで細かな操作が出来たの?」
「最近、練習して、ね……」
 すごい人だ。小さくなれるだけでもすごいのに、それをさらに昇華して、体内の骨だけを小さくするなんて芸当までやってのけている。
 僕は素直に感嘆した。これなら、確かに手紙のように薄く平べったくできるかもしれない。
「じゃあ、ガンガンやっていこうか」
 そういって、僕は徹底的にまりかさんの体を叩きまくることにした。


 ぐしゃり、ぐしゃりと体の潰れる音のたびに、激痛が走る。
 情けない悲鳴をあげたくはなかったのだけど、体が端から潰れていく痛みは想像以上に強くて、まさに潰れた悲鳴を上げてしまっていた。
 もうすっかり下半身は潰されていて、平べったくなっているのが感覚でもわかる。押しつぶされて体の内側から溢れた血が、顔の横まで流れてきた。
「はぁっ……はぁっ……ぎゅっ!」
 今度はお腹。体の中で色んな臓器が破裂する嫌な感触が広がる。
「ごふっ!」
 悲鳴を堪えていた口の端から、こみあげたものが零れる。それは真っ赤な色をしていた。
 水無くんはなるべく頭を潰さないように、最後に潰す気でいるみたいだった。心臓を潰されてしまうと一気に意識は遠くなってしまうのだけど、そこはナノマシンの機能を駆使してなんとか意識だけでも維持する。実際、一度潰されて死んでしまえば元に戻れるのは、コーティング剤の効果が消えてから。だから、郵送されている間の記憶は全く残らないのだけど、そうされたという事実がとても殺人プレイにおいては大事なものだと私は思っている。
(あ……そういえば……記録に撮っておいてもらうのを忘れたや……まあ、水無くんなら……言わなくてもやってくれるかな)
 殺人プレイにおいては、死ぬ側の人間はプレイの大半を認識することができない。
 だから、死ぬ様子や死んだあとの光景を記憶に撮っておくのは基本だった。
 ぐしゃり、ぐしゃり。
 手の先まで、ぺったんこに潰された。すっかり血が抜けてしまったのか、ほとんど自分の流した血に溺れそうになる。
「じゃ……潰……よ?」
 全身の痛みに、もう彼が何を言っているかもよく理解できない。
 けれど私になにか言ったことだけはわかったので、笑顔を浮かべることでそれに応じた。
 その私の顔目がけてハンマーの面が迫ってきて……私の意識はそこで暗闇に消えた。


 最後の一撃は、綺麗にまりかさんの頭部に吸い込まれた。さすがにここは骨だけを小さくするということは難しかったのか、確かな手応えを感じた。
 すっかり弁当箱の中はつぶれたまりかさんの肉と血であふれかえっていて、ハンマーを振り下ろすたびに血が飛び散るようになってしまっていた。
(うーん。これじゃあ綺麗に潰せないな……)
 そう考えた僕は、いつもまりかさんが使っているタッパーを持ってきて、その中にまりかさんの血やら何やらを映すことにした。水分を切ればさらに潰しやすくなると思ったからだ。
 どろどろしたまりかさんの体液をタッパーに移す。血で染色されたマリカさんの潰れた体は、さすがにひどい有様になっていた。
「……うーん。これ、なんか違うよなぁ」
 やる前からなんとなく予測はしていたけど、想像していた潰れ方とはかなり違った。
「……ちょっと拭いてみようか」
 僕は台所から綺麗な布巾を取ってきて、それでまりかさんを拭いてみた。血がそこそこ取れて、結構理想的な光景のそれに近くなった気がする。
「先に血抜きしてからの方がよかったかな……? あ、そうだ! こういうときこそ……!」
 僕は愛好会御用達の薬品を持ってきた。それをまりかさんの体に吹き付ける。
 それは血から色を抜いてしまう道具だった。特殊なナノマシンが血の色だけを透明なそれに代えてしまうのだ。これを用いてプレイを行うと、血抜きをするまでもなく綺麗な臓器が零れるのが見られるとかで、死姦系内臓晒し愛好家には評判だった。
 それを使った効果は劇的で、いままでは血の色に紛れて見えにくかったまりかさんの潰れた体が露わになる。その光景はまさに素晴らしいの一言だった。
 まりかさんの体がよく見えるようになったので、まだ潰しきれていなかった部分を徹底的にハンマーでたたく。
 ぐしゃりぐしゃりぐしゃり。
 段々平べったくなっていくまりかさんの体は、かなり薄くなりつつあった。けれどもまだ手紙というにはぶ厚い。
「よーし。これをこうして……っと」
 僕はもう一つの弁当箱を取り出して、それを用いてさらに綺麗に平べったく潰すことにした。
 ふたつの弁当箱を重ねてから、その上に思い辞書や雑誌などを積み上げていく。自分の身長なみに積み上げれば、重量は十分だろう。
「このまましばらく置いておけばいいかな?」
 そう思って、僕はいまの間に買い物や掃除などを済ませておくことにした。
 そんな風に時間を潰して数時間後。
 僕は重しをどけてまりかさんがどれくらい平べったくなったか確かめてみる。
「……うん。結構平べったくなったかも」
 まりかさんは大体厚さ2センチくらいの綺麗な長方形に変貌していた。でも、まだ手紙というには厚い。
「……うーんと、そうだ。確か台に固定する用の万力が……」
 僕はそう考え、クローゼットから万力を持ってきた。小学校の図工の時間なんかに使うのと同じ、平べったい部分で固定するものを挟むようにして止める万力だ。
 これを使って、さらに圧縮してみよう。
「……うーん。でも弁当箱が耐えられないかな……? いや、これをこうして……っと」
 僕は弁当箱の中にさいどマリカさんを敷き、弐つの箱の底面同士を合わせるようにしてまりかさんを挟み、あとからまりかさんを押さえつけている側の弁当箱の蓋を閉めた。この状態で万力に挟めば、弁当箱にかかる力は分散されて、ふたつの弁当箱に挟まれるまりかさんに的確に力がかかるようになるはずだった。
 僕はさっそく、その調子でまりかさんにさらに圧を書けていく。
「……最初っからこの万力を使えばよかったかな?」
 一瞬そう思ったけど、万力でただ潰すのでは、葉書みたいな綺麗な長方形にはならなかったはずだから、まりかさんの判断は正しい。
 どんどん圧を強めていくと、弁当箱と弁当箱の間から透明なものがさらに溢れた。もうすっかり血は抜けたかと思っていたけど、やはり圧のかかる方が重しと万力じゃ全然違うみたいだ。
 僕はもうこれ以上は弁当箱の強度的に無理、というレベルまで万力のネジを絞め、それがずれないようにストッパーをかけた。
「よーし。これでさらに放置かな」
 どれくらい薄くなるのか、僕には想像もつかないけど、きっと綺麗につぶれてくれるはずだ。
 そう思った僕は、その日は眠りについた。
 そしてそうして丸一日。
 万力を緩めてまりかさんを取り出してみると、それはもう見事にぺらぺらになっていた。
 さすがに本物の紙のようにとまではいかなくても、はがきとして出すのに申し分のない薄さになっている。
「よし……さっそくコーティング剤を……」
 そう思って僕がコーティング剤の入ったスプレー缶のトリガーに指をかけると、突如脳内に警告が現れた。
『警告 使用品に第二級警戒コードが登録されています。ご使用の際は用法・用量を守ってご使用ください。誤った使用が確認された場合、最寄りの警察署に通報されます』
「うわ、久しぶりに見たなぁ……この警告」
 ナノマシンが巷にあふれている現在、危険な行為や物品に触れた場合はこんな風に警告がナノマシンから発されるようになっている。このおかげで、不慮の事故以外の事件はほとんど生じていない。
 ちゃんと警告が出たことにむしろ安心して、僕はまりかさんにそのスプレーを使った。
 可能な限り薄く、決して塗りすぎないように細心の注意を払ってまりかさんをコーティングする。これでまりかさんは再生することなく、しばらくはこの姿のままでいるということだ。
 そんなまりかさんを、僕はコーティング剤が乾くまで洗濯ものを干すための紐に洗濯バサミを使って吊るす。まりかさんという人間であるはずのものを物として扱う感覚が、僕を不思議な気持ちにさせる。
 まりかさんの隣に、本物の手紙をぶら下げて撮影する。
「……うん。これはすごい」
 模様こそ禍々しいというか生々しいものだけど、こうして写真に撮ってしまうと、そういう趣味の悪い葉書なんじゃないかと錯覚する。
「……でも、さすがにこれをこのまま送るのはナシかなぁ」
 できればそのまま、と思っていたけど、触れた時の感触などを考えると、さすがにこのままで送るのは配達員の精神衛生上、良くない気がする。仕方ないけど、封筒に入れて送ろう。
 僕はコーティング剤が乾いたのを見計らって、まりかさんを洗濯ばさみから外して、用意しておいた封筒に入れる。そして、それに住所を印刷したシールと切手を貼って、郵便局に持って行った。
 ナノマシンが普通に使われている現在、当然情報伝達手段もほとんどがメールやテレパシーなどのレベルになっている。だから手紙というアナログな手段を使うのは相当趣味の領域の話だ。
 郵便局というものが残っているのは、ひとえにそういう趣味を愛好している人が多いからだ。
 でも昔よりはずっと少なくなったという。
「速達にしますか?」
「いえ、普通でいいです」
 受け付けのお姉さんに僕はまりかさんの入った封筒を差し出す。
 お姉さんはにこやかにそれを受け取り、消印の判子を封筒に押した。
(あ……あれを直接まりかさんは押してもらいたかったかも……?)
 記念としてそれをしてもらうべきだったのかもしれないけど、さすがにそれをお願いするわけにもいかず、僕はまりかさんを送り出して郵便局を後にした。
 あとは送り返されてくるのを待つだけだ。
 いまさらだけど、無事送り返されてきてほしいと思う。

 そして、まりかさんのいない一週間は瞬く間に過ぎた。

 無事にまりかさんの実家の住所から封筒が帰ってきたときは、思わず安堵して胸を撫で下ろしたものだった。
「やれやれ……よかった」
 送り出した時よりも封筒に厚みがあるような気がした。コーティング剤を使っているとはいえ、徐々に戻るのかもしれない。
 僕は部屋に入って、さっそく封筒を開けて中身のまりかさんを取り出してみて……驚愕した。
「え……?」
 封筒が送り出した時よりも分厚かったのは当然だった。
 その封筒の中には、まりかさんとぴったり合わせるように、もう一枚手紙が入っていた。
 肌色の、人間が潰されたみたいな、薄い葉書が。
「えええっ!?」
 思わず声を上げて驚く僕の前に、ふたつの葉書は物言わず、ただあるのだった。


~殺人プレイ『封殺』 終わり~

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