FC2ブログ

黄昏睡蓮

猟奇系、グロ系の18禁小説を書いています。関連の同人・版権作品のレビューも書きます。18歳以下の閲覧禁止。毎日更新を目標にしています。

金色スライム 2


 本来、そのスライムは意思を持っていないはずだった。
 そもそもスライム状であるというだけで、不死者用の罠である。本来の魔物としてのスライムとは存在の成り立ちからして違うのだ。
 だが彼女の体内を貫き、彼女の眼前にその身体の先端を向けている金色のスライムは、まるで意思があるかのように蠢いている。蛇が鎌首をもたげて獲物の様子を伺っているように、彼女には思えた。
(もしかして……長い年月、私を捕らえて活動し続けたことで……自我が芽生えたの……?)
 彼女はそう考えた。
 不死者である彼女は、決して卓越した魔法使いではなかったが、それでも長い年月を生き続けているだけあって、その蓄積された知恵と経験は相当なものになっている。普通の長さの人生しか生きられない人間の魔法使いに比べれば、その実力はぬきんでていると言えるだろう。
 そんな彼女でも、魔法で作られた罠が自意識を持つという事例は聴いたことがなかった。彼女の見識が狭いのではない。不死者用の罠に不死者が捕らわれたまま何千年も放置されるというのは前例がないことなのだから当然だ。
 だがどうやら、不死者から魔力を吸い続けたことによってか、影響を受けたスライム状の罠は自意識を持つに至ったらしい。
 スライムは不死者の彼女の首から下の身体を完全に覆ってしまっている。液体状ではあるがその身体には金属並の重量があり、不死者の彼女は自力では動くことが出来ない。温度こそ違えど、溶けた鉄に纏わり付かれているようなものなのだから当然だ。
 指先一つ動かせない状態。そんな彼女の体内で、スライムが蠢いた。
(う、ぐぇっ、う、うごぉっ!)
 外から見てもはっきりわかるほど、彼女の腹部が波打ち、彼女の口から飛び出していたスライムの一部が口の中に戻っていく。彼女の口内は喉の奥からスライムがせり出した状態で埋め尽くされ、みっちり埋まっていた。呼吸は鼻で出来るように穴ができていたが、うめき声をあげる程度のことしか出来ない。
 そんな彼女の身体が、大きなお腹を揺らしながら立ち上がる。彼女自身の意思ではなく、彼女の身体を覆っている外側のスライムが動いているのだ。不器用な二足歩行でふらふらと歩き出す。
 本来液体のスライムが無理矢理人間の身体を動かしているため、時折変な方向に力が働き、彼女の身体は骨が軋み、時に折れ曲がってしまった。不死者でなければ全身を粉々にされる激痛に死んでしまっていただろう。不死者の彼女だから痛いだけで済んでいたが。
(どこに行くつもりなの……? というか、宝物庫から出られるの……?)
 この手の罠は基本的にその場所に紐付けられている。ゆえに、その場所から離れることはない。もっともそれは自意識目覚めてない場合のことで、自意識目覚めたそのスライムには関係のないことであった。
 むしろ、スライムはこの場から離れるために、不死者の少女を利用しているのだ。
 罠の目的として、不死者を捕らえるという存在意義がある。それを拡大解釈して、不死者を捕らえていさえすれば自由に動けることにしているのである。
 そんな思考があるとも知らず、不死者の少女はスライムに全身を覆われたまま、ダンジョンの宝物庫から外へと向かっていく。
 この世で最も危険な魔の物が、獲物溢れる地上へと出ようとしていた。

続く
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL

カウンター
プロフィール

夜空さくら (旧HN:黒い月)

Author:夜空さくら (旧HN:黒い月)

はじめに
当ブログは猟奇・グロ系の18禁小説ブログです。関連の同人誌・版権物のレビュー、個人的な語りなども書きます。18歳未満の方の閲覧はご遠慮ください。

『このブログについて』
・当ブログについてです。

『twitter』
・管理人のツイッターです。取りとめのないことを呟いています。

管理人運営の姉妹ブログ一覧
『黎明媚態』(露出・羞恥系)
『黄昏睡蓮』(猟奇・グロ系)
『白日陰影』(箱詰・拘束系)
『夕刻限界』(時間制御系)
『極夜天蓋』(催眠・改変系)
『東雲水域』(性転換交換系)
『星霜雪形』(状態変化系)
『異種祭祀』(異種姦系)

『pixiv』
・イラストは全て3Dカスタム少女を使用し作成して投稿しています。基本は小説の投稿です。

『ノクターンノベルズ』
・一部の小説をこちらでも掲載しております。
カテゴリ