FC2ブログ

黄昏睡蓮

猟奇系、グロ系の18禁小説を書いています。関連の同人・版権作品のレビューも書きます。18歳以下の閲覧禁止。毎日更新を目標にしています。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

金色スライム おわり

 突如、地面に巨大な穴が開いた。
 草原に空いたその穴はどこまでも深く地の底まで続いており、その奥は光もなく、見通せるものではなかった。
 その暗闇の底から、数多の何かが溢れ出した。それはコウモリの翼を持つ人型をしていたが、明らかにその姿は異常だった。
 全身に血管のような金色の筋が浮かび上がり、その腹部はまるで幾人もの胎児を抱えているかのように肥大化している。痩せ細った四肢に比べてそれは明らかに異常な状態であり、それを端的に示しているかのように、その何かは一様に恐怖と狂気に満ちた表情を浮かべていた。涙や涎、果ては排泄物まで垂れ流しながら、その何かはその翼を用いて空高く飛び上がっていく。
 それが数十ほど、四方八方に向けて散らばっていった。
 さらにそれらが飛び散っていく中、複数のそれから伸びた紐のような物によって牽引された別の何かが穴の底から現れる。
 それは人間の女性の形をしていた。翼はなく、四肢が痩せ細っていることもない。
 だが、その腹部は飛び散っていった者たちと同様に膨れあがっており、別の存在が体内に巣くっているということは明らかだった。また、翼を持つ者たちと同様に、その女性の全身にも、金色の筋が浮かび上がっている。
 それが地上に降り立つと、翼を持つ者たちと繋がっていた紐が切れた。自由になった翼を持つ者たちが散っていった後、その女性はふらりと歩き出す。
 その口の中から、金色のスライムが顔を覗かせる。女性は自分の足で歩いているようで、その全身にスライムが根を張り、干渉して歩かせていた。
 二千年ぶりに地上に出た不死者だったが、その自由は金色のスライムによって完全に奪われていた。


 金色のスライムが全身に寄生し、身体の主導権を完全に奪われ、脳の大半にもスライムが食い込んだ状態でも、不死者の彼女はまだ自我を保っていた。
(……どうしよう)
 普通の人間、否、生物なら気が狂っているであろう状態でも、不死者の彼女は平気だった。
 正確には平気ではないのだが、金色のスライムが彼女の扱いを覚え、殺さずに捕らえ続けることが出来るようになったおかげで、死によって感覚がリセットされることがなくなり、徐々にその痛みや苦しみという感覚に慣れて来たのだ。
 不死者たるもの、死なない程度の苦痛に気が狂うわけもない。
(二千年前は、皆ほぼ絶滅しちゃってたけど……いまはどうなのかな)
 仮に文明が再興していたとして、金色のスライムが原因で再び滅びることになっては、さすがの彼女も申し訳ない気持ちになる。
(私があのダンジョンにいかなきゃ、こんなことにはならなかったんだもんね……コウモリさんたちには気の毒だったなぁ)
 不死者である彼女は、他者に対する情が基本的に薄い。常命の者は彼女にとっていずれは消え去ってしまう儚いものだからだ。
 それでも、自分が原因で苦しんだり死んだりされてしまうと、さすがに申し訳ないという気持ちも少しは湧いてくる。
(うーん、けどこの状態だと考える以外何もできないしなぁ……)
 金色スライムの浸食を受けている現状で、金色スライムを害する行動は出来ない。
 それでも金色スライムの性質を分析し、すべての子金スライムが金色スライムと同一の意思で行動しているのは理解していた。
 ゆえに、仮に彼女がどうにかして金色スライムの本体を潰すことができれば、すべての子金スライムも連鎖して死ぬことがわかっていた。
 わかっているだけで何が出来るわけではないのだが。
(……まあ、いまの文明の人たちの機転とか能力とかに期待するしかないかな……もしかしたら、そもそも文明滅びたままかもだけど)
 不死者の彼女はさしあたっての対応は放棄し、長期的に金色スライムに対抗する策を打つことにした。浸食されている現状を逆に利用し、自身の性格や意思を金色スライムの行動に反映させるというものだ。
 金色スライムは与えられた役割を半ば放棄してダンジョンから出ることを選択したわけだが、スライムに「そうしたい」という明確な自我が芽生えているわけではない。
 不死者の彼女を捕らえ続け、何億何兆という同じ行動を繰り返した結果、たまたまレールから外れてしまったというのが近い状況だ。
 それゆえに、明確な自意識を持つ不死者の彼女の性格や意思を、素直に取り込む可能性があった。そうすることで金色スライムによる無闇な犠牲が出ないようにすることができるかもしれないのだ。
 取り込む系の魔物に対し、精神を無防備にさらけ出すというのは、普通は極めて危険な賭けではあったが、不死者の彼女に恐れはない。
 上手くいけば儲けもの、上手くいかなくても仕方ない、という感覚である。
(完全に取り込んでくれれば――スライムの力が得られたりしてね)
 長く退屈な時間を過ごす、不死者の戯れであった。彼女のこの決断が、金色スライムにどういう結果を導き出すのか、それはまだ誰にもわからない。
 そして、その結果が出る暇もなく。

 世界に散らばった子金スライムたちの活動が始まろうとしていた。


金色スライム おわり
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL

カウンター
プロフィール

夜空さくら (旧HN:黒い月)

Author:夜空さくら (旧HN:黒い月)

はじめに
当ブログは猟奇・グロ系の18禁小説ブログです。関連の同人誌・版権物のレビュー、個人的な語りなども書きます。18歳未満の方の閲覧はご遠慮ください。

『このブログについて』
・当ブログについてです。

『twitter』
・管理人のツイッターです。取りとめのないことを呟いています。

管理人運営の姉妹ブログ一覧
『黎明媚態』(露出・羞恥系)
『黄昏睡蓮』(猟奇・グロ系)
『白日陰影』(箱詰・拘束系)
『夕刻限界』(時間制御系)
『極夜天蓋』(催眠・改変系)
『東雲水域』(性転換交換系)
『星霜雪形』(状態変化系)
『異種祭祀』(異種姦系)

『pixiv』
・イラストは全て3Dカスタム少女を使用し作成して投稿しています。基本は小説の投稿です。

『ノクターンノベルズ』
・一部の小説をこちらでも掲載しております。
カテゴリ


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。