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黄昏睡蓮

猟奇系、グロ系の18禁小説を書いています。関連の同人・版権作品のレビューも書きます。18歳以下の閲覧禁止。毎日更新を目標にしています。

殺人プレイ『聖殺』 2


 その運命の日――僕はまりかさんと一緒に街を歩いていた。

 普段は一緒に街に出る時、まりかさんは小さいまま、僕の胸ポケットに入ったり、あるいは僕のナノマシンの特性で作り出した猟奇的な『ポケット』の中に入ってもらったり、そういうプレイの延長戦であることも多かった。
 けれど、さすがにこの日ばかりは、極普通の人間サイズで、一緒に街を歩いている。
「クリスマスはいいね。街全体が晴れやかで」
「そ、そうだね」
 前述した理由で、まりかさんと一緒に歩く機会というのは少ない。
 だからこうして一緒に歩くだけでも、ドキドキしてしまうのだった。
 特にいまのまりかさんは、双子たちが作って置いていったデザイン重視の服を身につけている。
 服に詳しくない僕にはどういえばいいのかわからないけど――ただでさえ美人なまりかさんが数倍は美しくなっていた。
 先ほどから擦れ違う男性の羨望の眼差しが痛いくらいだ。
 ずば抜けて美人のまりかさんに対して、僕はいたって平凡な外見の男だから『どうしてあんな美人をあんな男が連れているのか』と思われているに違いない。
 そういう意味では、ほんの少し優越感はあった。
(これで本当に彼氏彼女の関係になれたら……最高なんだけどなぁ)
 そんなことを思いつつ、僕はまりかさんと一緒にクリスマスの街を歩く。
 目指しているのは、今日のために予約していたレストランだ。
 料理も美味しければ接客も良く、大人の雰囲気抜群だというレストラン。
 ここに一緒に行こうと誘った時、まりかさんは即座に頷いてくれた。
 それだけ考えると、脈がないというわけではないはずなのだけど。
(……こうして寄り添うように歩いても、嫌がっては……いないと思うし)
 手こそ繋いでいないが、距離は普通の友達よりはずっと近い。ほんの少し近付けば腕も組めそうな距離だ。
 きっと受け入れて貰える。
 そう自分を奮い立たせてレストランへの道のりを歩く僕は、道中まりかさんが僕のことを優しく見つめていたことに気付かなかった。


 予約したレストランで極上の料理を堪能した後、食後のお茶が来る前に告白した。
 店員さんには事前に伝えていたし、個室だったので周りの目は気にしなくても良かった。
「ま、まりかさん! しゅ、好きです! 僕と付き合ってください!」
 緊張しすぎて声も震えてしまい、肝心なところを噛むし、情けない告白だったと思うのだけど、まりかさんは喜んで受け入れてくれた。
「ありがとう。やっと告白してくれたね」
「よ、よかった……やっと?」
 安堵しかけた僕は、まりかさんの言葉に目を点にしてしまう。
「うん。本当はずっと前に私から告白しようと思ってたんだ」
「ええ!?」
 思わず大きな声をあげてしまった。つくづく個室にしておいて良かった。
 まりかさんは苦笑気味に微笑む。
「でも水無くんって今時珍しいくらい律儀な人だから、告白は男性の方からするものだって思ってそうで」
 図星だった。
 もしまりかさんから告白されたとしても、喜んで受け入れてはいたと思うけど、自分から告白できなかったことに思うところはあったかもしれない。
(なんてこった……)
 元からわかっていたけど、僕はまりかさんに敵いそうにない。
「こんなに雰囲気のあるレストランに連れてきてもらえるとは思ってなかったけどね。ねえ、水無くん。このシチュエーションはどちらかというとプロポーズじゃない?」
「うっ。いや、確かにやりすぎかな、とは途中で思ったんだけど」
 思えば段取りを伝えた時、店員さんが微妙に苦笑いしていたのはそれが理由だったのだろうか。
 『ここまで来といてまだ付き合う前の段階なのかよ』って内心ツッコミを入れられていたのかもしれない。
 そう考えたら、急に恥ずかしくなってきた。
 顔が赤くなるのがわかる。普段は形すら変えられるのに、こんな時に限ってナノマシンは仕事をしてくれなかった。
 僕のそんな反応を、まりかさんが微笑ましいものを見る目で見ている。
「ふふふ。交際の申し込みでこれなら……結婚の申し込みの時はどんなシチュエーションを準備してくれるのかな。楽しみにしておくよ」
 まりかさんはそんな風に穏やかに僕をからかうのだった。
 本当に僕は一生まりかさんに敵いそうにない。
 決して、悪い気分ではなかったけれど。

 こうして、僕はまりかさんと恋人関係になることが出来たのだった。

 運ばれてきた食後のお茶を飲みながら、まりかさんが問いかけてくる。
「それで……気になっていたんだけど、もう聞いてもいいかな」
 告白の緊張から解き放たれ、ようやく落ち着くことの出来た僕は頷いた。
 まりかさんの目は、部屋の隅に置かれた僕たちの荷物に向いている。
「水無くんが持っていたその荷物……もしかして私へのプレゼントだったりするのかな?」
 期待にか、まりかさんの目が少し光っている。
 彼女らしいといえば、らしい。恐らくそれが『そういうもの』だと見抜かれている。
「あ、うん。そうだよ。僕たちらしく、殺人プレイに関係するものなんだけど」
 マサネさんに相談した時は、これを使ったプレイをしてクリスマスムードを高めてから、みたいなことを考えたけど、告白する前にプレゼントを渡すのは順序が違うかな、と後から思い直し、告白は直球勝負に切り替えたのだ。
 結果としては、良かったと思う。
 なにせ、このプレゼント……プレイ用の道具は、クリスマス気分は高めてくれるけど、ムードを高めてくれるかと言えば、そうではないかもしれないから。

 僕が荷物から取りだしたのは見た目――ただの白い袋だ。

つづく
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